小児歯科

1歳になったお子さんの乳歯(こどもの歯)の下には、永久歯(大人の歯)が既に存在しています。
乳歯は抜けますが(5〜7才頃から抜け始めて最後の歯は11〜13才頃)、乳歯のむし歯を放置しておくと、永久歯の生え方や歯並びに影響が出ることもあります。
お子さんのお口の健康は、心身の健康な発育のためにも大切ですから検診での早期発見・早期治療と予防をおすすめしております。小さいお子さんは、治療の時に泣くこともありますが、必ず泣かないで治療を受けられるようになります。お子さんの成長を信じてご相談にいらしてください。


カリエスフリー(詰め物がないむし歯ゼロの状態)

当医院では、乳幼児からブラッシング指導やフッ素塗布を行い、大人になってもカリエスフリー(詰め物がないむし歯ゼロの状態)の患者様を増やしたいと考えています。お子様がむし歯になって痛い思いをしないよう、お口の中を健康に保つためには、ご家族のサポートが必要です。

一人一人にあった予防プログラムのご提案

当医院では、まず、むし歯になる原因を調べ、その結果から、お子様一人一人にあった予防プログラムをご提案します。
そのうえでスタッフから、むし歯予防についてお話をさせていただき、医院とご家族の二人三脚で予防管理を行っていきます。

ホームケアとプロフェッショナルケアの併用

お子様のお口の中の健康を守るためには、ご自宅でのホームケアとクリニックでのプロフェッショナルケアのどちらも欠かすことができません。特に乳歯から永久歯に生え変わる小学生の時期はケアが難しく、ホームケアだけではむし歯を予防しきれないことが多いので、ぜひプロフェッショナルケアをとりいれていただければと思います。

子供の歯科治療の流れ

0~2歳のお子様

受付

問診表などのご記入をお願します。

カウンセリング

ご記入いただいた問診票をもとに保護者の方にお子様の歯の状態についてお伺いしたり、お子様のお口の中を見せていただいたりしてカウンセリングを行います。その際、だ液検査やフッ素塗布についての説明もいたします。

メインテナンス

毎月1回メインテナンスを行いむし歯の発生、再発を防ぎます。フッ素塗布、歯ブラシ指導等行います。

3歳~小学生のお子様

受付、問診、診察

日頃の生活習慣をお伺いしたり、乳歯、永久歯の生え変わりなどもチェックします。

精密検査

お口の中の写真を撮影したり、だ液検査を行います。

検査結果のご説明

精密検査の結果をもとに、予防プログラムを作成し、ご本人とご家族の方に説明いたします。

歯ブラシ指導

歯ブラシ指導では、歯科衛生士が患者さんの口腔内の状態に合わせた指導をいたします。汚れがきちんと落ちる歯のみがき方を分かりやすくご説明いたします。


クリーニング(PMTC)

専用の機器を使ってご自宅では落としきれない汚れまで、綺麗にします。


メインテナンス

毎月1回メインテナンスを行いむし歯の発生、再発を防ぎます。フッ素塗布、歯ブラシ指導等行います。

お子様の歯を守るために
ご自宅で気を付けていただきたいこと

① 甘いものを長時間、何度も口にしない

甘いものを口にすると、むし歯菌が酸を出し歯が溶け出します。しばらくするとだ液の力により酸の中和と、再石灰化(溶け出したミネラルが歯の表面に戻る)が行われ、元の状態に戻っていきますが、甘いものを長時間口にしたり、1日に何度も口にしたりしていると、ずっと歯が溶け続いている状態になります。甘いものを全てやめる必要はありませんが、なるべく間食の回数を控え、規則正しい食生活を送ることで、お子様をむし歯から守ってあげましょう。

② 就寝1時間前から飲食は控える

寝ている間はだ液の分泌量が減り、むし歯の出す酸に抵抗する力が弱まります。寝る1時間前には、飲食を終らせましょう。

③ 8歳までは仕上げ磨きを

乳歯のお子様は、まだ自分できちんと歯を磨くことができません。8歳ぐらいまでは、ご家族の方が仕上げ磨きをしてあげてください。

学校健診

お子さんの学校健診の結果はご覧になりましたか?
実は、要観察や異常なしを問わず、すべてのお子さんが 歯科医院で検査を受けた方が良いというのをご存じでしょうか。

学校健診は目で分かる範囲のチェック

学校健診は、主に目視で簡易検査を行います。保護者の方やお子さん自身では気付けない虫歯や歯並びのズレを識別するのが目的です。

歯科医院と同じように感じると思いますが、学校健診では歯科医院で行うような精密な検査ができません。学校ではレントゲンをはじめとする設備が無い上、一人一人の診察時間も限られています。歯科医師がどんなに気を付けても、目視のみでは歯と歯の間の小さな虫歯や、歯と骨の状態まで正確に知ることはできません。実際に歯科医院では、歯と歯の間に虫歯が見つかったり、矯正が必要と診断されたりすることもあります。

歯科医院の検査は総合的な診断

歯科医院では、1人1人に合った治療や予防処置の方針を決めるための検査を行なっています。

歯と歯の間や歯の根など、見えないところに虫歯がないか、顎の骨の状態や永久歯の生えるスペースがあるか、歯肉の状態や磨き残しの有無など総合的に調べていきます。

正確な診断には、お口の中がよく見えるように照明が整った歯科医院の環境や、レントゲンなどの検査機材が欠かせません。

子供の学校健診の結果は、あくまで目安です。絶対大丈夫と安心できません。
可能な限り学校健診とは別に、歯科医院での検査もおすすめします。

検査の目的は早期発見・早期治療

黒いけど放置してある虫歯や、痛みが出ている虫歯、神経まで感染して痛みがなくなってしまった虫歯など、虫歯の状態も様々です。治療になれば費用がかかりますし、多少なりともお子さんに不快な思いをさせてしまいます。

特に乳歯の虫歯は後で抜けると思って放置されがちです。放置すると、永久歯が正しい位置に生えられなくなったり、生えてくる前に永久歯が虫歯になったりするおそれもあります。

定期的に歯科医院で健診を受けることで、初期虫歯が見つかったとしても、歯科医師・歯科衛生士による定期管理と丁寧なホームケアによって、歯を削らず維持できることもあります。もし、経過観察中に虫歯が進行した場合は、最小限の治療で済みます。

お子さんの成長はとても早く、お口の状態はどんどん変わっていきますから、適切な予防や治療を行うためには、歯科医院での定期健診が欠かせません。ぜひ一度、お近くの歯科医院を受診してみてください。

保護者の方へ

お子さんには学校健診がありますが、保護者の方のお口の状態はどうでしょうか。大人には大人のリスクがあり、歯を失う最大のリスクである歯周病の適切な管理が大切です。

健診をしばらく受けていない方は、お子さんと一緒に歯科医院での検査をおすすめします。