歯周病の原因

歯周病は、細菌の感染による炎症性疾患です。歯と歯茎(歯肉)の境目のブラッシングが上手くできないと、細菌やプラーク(歯垢)が溜まり、歯茎(歯肉)のまわりが炎症し赤くなったり、腫れたりします。歯周病はゆっくりと進み、痛みが伴わないため自覚症状がないまま進行するおそれがあります。症状が進行すると歯を支える土台が溶けて、歯がグラグラするようになり、最後には歯を抜かなくてはいけなくなってしまいます。

歯周病の原因は「プラーク(歯垢)」ですが、近年は、喫煙や生活習慣、糖尿病などの病気が歯周病を悪化させる原因になっていることが分かりました。

薬で治す歯周内科治療

歯周病とは歯垢や歯石の中の細菌が出す毒素によって歯を支えている周りの組織が破壊され、骨がなくなり、最終的には歯が抜け落ちてしまう病気です。歯周病は歯周病菌が人から人へ移る感染症です。なお、歯周病を悪化させる他の要因として、歯ぎしり、バランスが崩れた無理なかみあわせ、喫煙などがあります。歯周病は、全身との関わりも指摘されています。例えば、歯周病の患者さんは歯周病でない方に比べ致命的な心臓発作を起こす危険が2.8倍、早産の確率が7.5倍、糖尿病の確率が5倍高い等言われています。肺炎やぜんそくなどの呼吸器系疾患にも歯周病が関わっているといわれています。

歯周内科治療とは、位相差顕微鏡でお口の中に感染している細菌、真菌、原虫などを特定し、動画管理システムに記録し、それらの微生物に有効な薬剤を選択し、微生物叢を非常に綺麗な状態に改善することで歯周病を内科的に治す治療法です。治療前の数多くの微生物叢が治療後には非常に短期間で綺麗に改善し、治療前後の状態が一目瞭然に画像で表示されます。また、はっきりと自覚できるほど、歯茎からの出血や排膿が短期間で改善します。以前は長時間の歯磨きや外科的治療によって、1~2年の治療期間でこのような綺麗な口内環境を獲得していたのです。微生物叢の改善後歯石を除去しますが、その場合も冷たい水がしみるといった症状が非常に少なくなることが知られています。

治療開始後1週間後の自覚症状の変化
歯ぐきの出血顕著に改善60%有効率 85%
改善25%
口臭顕著に改善55%有効率 90%
改善35%
起床時の粘つき顕著に改善55%有効率 85%
改善30%
歯ぐきの膿顕著に改善76%有効率 88%
改善12%

たった一週間で他にも効果が報告されています

  • 噛んだときの痛みが改善…79%
  • 歯ぐきの腫れが改善…77%
  • 歯のグラグラが改善…66%
  • 歯のしみる感じが改善…65%

歯周内科治療の治療方法

位相差顕微鏡 口腔内の細胞を採取し、それを「位相差顕微鏡」を使って観察します。
口の中には数え切れない種類の菌が存在します。
患者様の口の中にどのような歯周病菌が存在しているかと、菌の状態(種類、数、活動性)をチェックします。

歯周病が発見された場合、菌の種類、数、活動性などにより薬を処方します。
善玉菌はそのままにし、悪玉菌だけに薬を使い、除菌します。もちろん痛みはありません。人により異なりますが、だいたい投薬開始から3日頃から除菌の効果があらわれてきます。

さまざまな種類のカビの除去薬剤、あるいはカビ取り歯磨き剤での歯磨きで、様々な歯周病菌やカビを減少させます。


歯周病治療の基本「プラークコントロール」とは

歯周内科治療で重要となる感染微生物の状況や口腔内写真を患者様ごとに一元管理できるだけでなく、“細菌ずかん”などの機能も備えておりカウンセリングツールとしても利用できます。

歯周病の原因の微生物

真菌(カビ)

カビは空気中や水中、土譲、食べ物の表面などいたるところに存在します。そのため、多い少ないの差はありますが、あるゆる人の口の中にもいます。歯磨きしづらい部分に溜まって歯ぐきに根を下ろして成長します。口腔内のネバネバ感や口臭、歯ぐきの炎症や歯ぐきからの出血の原因になります。酸を放出することから知覚過敏の原因になることも知られています。画像は歯周病の原因となる代表的な真菌“カンジタアルビカンス”です。

細菌(真正細菌)

“スピロヘータ”は歯周病の代表的な細菌で動画で見ると回転しながら活発に動いているのですぐにわかります。本来は口腔内にいてはいけない悪玉菌で、この菌がいると歯周病が進行中、あるいは歯周病が進行しやすい状態にあると言えます。また他の悪玉菌も増える傾向にあるので注意が必要です。

原虫

寄生性を持ち、また病原性を持つ単細胞の微生物のことを一般的に原虫と呼びます。歯周病に代表される原虫は人体寄生性のものが多く、性感染など人と人との接触で伝播します。原虫に限った話ではありませんが、感染を考えた場合、生活を共にするパートナーと一緒に歯周内科治療は受けることが理想です。


歯周内科治療後は再感染に気をつける必要があります。箸の使いまわし、くしゃみ、回し食い等で再感染する場合があります。ご家族間で感染する場合もあります。歯科医院でブラッシングのこつを教えてもらい、正しい歯磨きでお口の中を清潔に保ちましょう。磨ききれない場所が必ずありますので、定期的に歯周病を起こす細菌に再感染していないか、またお口の中が再感染しやすい環境になっていないか、歯科医院で定期健診を受け、歯のクリーニングも定期的に続けましょう。その際、お口の中を隅々まで徹底的にクリーニングできるPMTCは特におすすめです。

歯周内科治療のよくある質問

薬の副作用はどうですか?

飲み薬は一般的な抗生剤ですので、基本的に問題はありません。カビの量をコントロールする歯磨き剤はほとんど吐き出すので身体に影響ありません。稀にヒノキアレルギーの方には他の歯磨き剤を使用してもらうことがあります。

タバコはやめなければいけませんか?

タバコは歯周病を進行させてしまいますし歯周内科治療の改善結果を妨げてしまうことも考えられます。お薬の効果が期待できる1週間は出来るだけやめていただくようお願いしております。

他に薬を飲んでいますが?

内服に注意が必要なお薬が3つあります。1つはワーファリン、2つめは制酸剤、3つ目はシクロスポリンというお薬です。ワーファリン以外のお薬は30分時間をずらして飲むようお勧めしています。内科への問い合わせをしたうえでお薬をお出しする場合もあります。

歯周内科が効かない場合もあるのですか?

5%程度で歯周病菌がいなくならない場合があります。

【 主な要因 】
・血液中にもともと白血球が少ない方
・血液の病気の方
・ヘビースモーカー
・むし歯や治療途中の歯が何本もある場合(治療することにより改善されると思われます。)

ペリオバスターNについて教えて下さい。

用途はお口のリフレッシュ、消臭です。本品は天然成分から抽出されたエキスを熟成し食品等の除菌、抗菌、鮮度保持を目的に開発した商品です。優れた抗菌力と安全性を保持し、大腸菌、O-157、真菌(カビ)などに効果の高い食品添加物です。完全天然成分でできていますので、体に優しく飲んでも問題ありません。ただし、ヒノキアレルギーの方は使用不可です。

妊娠中でも歯周内科治療はできますか?

妊娠中は内服薬をお出しできませんので、授乳中を含めて歯周内科治療はできません。

お薬だけ購入することはできますか?

この治療は歯科医師が患者様のお口の中を診察し、位相差顕微鏡で歯垢の中の細菌を確認して初めて処方する薬が決定しますので、診察なしでお薬だけ処方することはできません。